美山の里,茅葺屋根の矢切に見る家紋

車で京都への出張途中、美山から京北あたりにさしかかると、道の両わきに矢切に家紋の換気孔のある家々が一斉に増え始める。これらの家々の家紋は、それぞれの家の存在を示しつつ、美山の美しい山里の景色にすっかり溶け込んでいる。最近の新築住宅で紋の換気孔がある家屋を見るこなどほとんど無くなったが、かやぶき屋根の家々が保存されているこの地域では、今なお実にたくさんの民家に残っている。

 

の種類も、壁の漆喰と一体化しているもの、木造の彫刻のもの、”水”のような文字のものなど、色々だ。家紋というと、着物を扱う自分にとっては身近なものであるため、大変興味深い。珍しい家紋を見つけると、一体どういう名前の紋なのだろうかと考えたり、同じ家紋の家屋が近くに固まって見られることがあると、親戚同士というかきっと同じ”巻き”なのだろうと推測するのも面白い。

 

ところで、最近では家という意識が薄れ、定紋の名前も知らない人たちも増えている。結婚式でも、形式的には両家の結婚式などというけれど、実際には新郎新婦二人で挙げる結婚式という感覚だ。

 

このように今の時代、”家”などという意識は古いと言われるかもしれないが、代々続く家を護り、その誇り・象徴として家紋を大切に受け継いでいくこともあってよいのだと思う。