伊藤若冲の世界を染め帯に!

寒の染めは、一年中で水が澄み、最も美しく染まると言われる。

 

そこで、毎年行っている”寒染めキャンペーン”を、今年は、伊藤若冲の浮世絵より染帯をお誂えするキャンペーンとした。

 

昨年は若冲生誕300年ということで、大変にぎやかだったが、このキャンペーンは、今年の干支の酉にちなんで、若冲の鳥の絵4枚の中から、お好きな柄をお選びいただき、染め帯をつくるというもの。

 

すでに若冲に興味のあるお得意様からはご注文をいただいている。ご注文の際皆さんが言われるのは、構図はもちろんだが取り分け若冲の色の魅力があるということだ。なるほど若冲独特の赤と青は、時代を突き抜ける勢いがあるように思える。

 

お誂えは、いつも出来上がるまで大変手間がかかるが、それだけに出来上がりの喜びも一入だ。

 

ぜひお客様に気に入っていただけるものを創りたい。

 

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どんな感じに出来上がるか楽しみの薄物コート。

過日行われた「丹後織物求評会」に出品のこの織物、藍色と白の格子柄だが、これを紺色に染めると、部分的に同じ色合いの色が重なる相乗効果で、格子柄が何と縦縞に化けてしまう。

 

さらによく見ると、縞柄の下に、格子の地模様が浮き上がり、奥行き感がありとても面白い。

 

また、紗のコートほどではないが透け感があり、用途として、スリーシーズン用のコートとして適していると思い、お客様にご案内し、すでにご注文をいただいている。

 

最近、気候の温暖化で衣替えの服制にも変化が生まれてきた。

 

例えば、今までは道中着、道行コート、雨ゴートなどは、しっかり感のある素材だったが、暑さのせいか、薄い素材のものが好まれるようになった。また、6月の衣更え前でも大変暑いので、見えない下着や長襦袢だけでも夏物にするといった工夫をされるる方も増えてきた。

 

このように羽織物においては薄くて軽いものが好まれるトレンドの中、春先から晩秋までの長いスパンで着られるこの品物は、道中着や塵除けコートとして、きっとブレイクするだろう。

 

 

 

 

 

 

 

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地模様のあるちりめんの着物をお誂え

今日、お客様のご注文の色無地が仕立て上がってきた。色は薄いグレーだが、生地全体に広がる細かい若松亀甲の模様が、光の反射具合により、部分部分で様々な浮き出方をしてとても美しい。

 

ちりめんは、地模様(地紋)のあるなしで、大きく二つの種類に分けられるが、長年お客様の注文状況を見ていると、時代によって、地模様のある生地が好まれる時期と地模様のない生地が好まれる時期が、交互に繰り返しているように思える。

 

ちなみに今は、地模様のある色無地のご注文を承ることが多いが、地模様のあるなしにかかわらず、それぞれ生地にはそれぞれの良さがあり、お客様の好みもあるので、どちらがいいとは言えない。

 

しかし、自分の個人的な好みから言うと、地模様のある色無地がいい。色無地は文字通り単色の着物であるので、地模様があると奥行き感が出るし、無地なのに柄があるというプラス・アルファの面白味があるからだ。そのせいで、自分のネクタイを選ぶ時など、染のネクタイの場合には、どうしても地模様のあるものを選んでしまいがちだ。

 

ところで、この頃お客様で、このような地模様のちりめんがほしいが、織ってもらえないかというお問い合わせをいただくことが増えた。

 

それはもちろん他にはない自分だけの地模様の着物が着たいというこだわりの方が増えてきたこともあるだろうが、近年きもの需要の低下により、ちりめん自体の生産量が著しく減少していることにも原因があるのだろう。

つまり、昔のようにちりめんの生産量も多く、豊富な地模様から選べる時代ではなくなり、ほしい柄のちりめんを探そうにもどこにもないために、特注品をオーダーしなければならないというわけだ。

 

特注品の場合、製品として完成するまでは大変な労力がかかるけれど、お客様に気に入ってもらえるものが出来上がった時には、この上なく嬉しい。

 

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高い染の技術があるからこそ、こんなことができます。

長い間着物屋をしていますが、初めての経験でした。

お客様が振袖の袖を短く切ってしまったが、なんとかならないだろうかというご相談があり、こんなことをやってしまいました。

一度切ってしまったものはどうにも修復不可能で、切った袖と同じ袖を作るしかありませんでした。

...

どうしてこのようなことが起こったかというと、この振袖を買う時に、「この振袖は袖を切れます」と言われたので、娘さんが年齢的にもう振袖を着ることがないだろうと思い、袖を短くして訪問着として着られるようにしたかったということでした。

しかし、訪問着として着るには、あまりにも派手で着ることがないままにしてあったのですが、いい振袖なので今度はお孫さんの成人式に着せたいというご要望でした。

同じ袖を作るといっても、それを実現することは、同種の生地を探すこと、高い染の技術があることなど、極めて難しい条件をクリアーしなければなりません。

しかし、やってしまいました。それが、この写真です。

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こんなものをお誂え!?

ちりめん服地
ちりめん服地

つい先日和歌山から木魚にかける丹後ちりめんの生地のご注文をいただいた。

われわれ丹後で織物に携わる人間にとって、ちりめんというと、その用途は

着物や洋服、せいぜい和雑貨ぐらいしか思い浮かばない。このようにお寺さんの

木魚にかける布としての用途は初めてのことで驚いた。

 

ところで、今、和歌山方面から連想したのが、大阪の岸和田。あるお客様で、

だんじり祭りに大工方のはっぴを丹後ちりめんで作りたいというご注文があった。

大工方というと、祭りの花形であると同時に、人生における貴重な経験でもあり、

この方に限らず大工方になる人なら、オーダーメイドで納得のいく良いものが作りたい思われるのは当然だ。

 

一般にはっぴというと素材はほとんど綿か化繊だが、シルクで作られるとはこだわりそのもの。

それにしても、オーダーメイドのご注文は、われわれの想像を超えるお誂えが多くて面白い。

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